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塚田 和明; 西中 一朗; 篠原 伸夫; 市川 進一; 永目 諭一郎; 末木 啓介*; 中原 弘道*; 大槻 勤*; 谷川 勝至*
European Physical Journal A, 2(2), p.153 - 155, 1998/00
被引用回数:2 パーセンタイル:17.11(Physics, Nuclear)ThおよびPuの15MeV陽子誘起核分裂において質量数88~159の分裂片の角度分布を放射化学的手法で求めた。両反応系において分裂する際の質量分割比が1:2という極端な非対称質量分割領域と質量数140程度の典型的な非対称質量分割領域に違いはなく、核分裂過程において同じ鞍点を経由すると考えられる。Th+p核分裂において対称分割生成物の角度異方性が非対称分割生成物の値より明らかに小さく、質量数130の領域はその中間値を示した。これら異なった角度異方性は2種類の鞍点の存在を示唆し、中間値は両成分の混合によるという仮定で説明できる。Pu+p系では対称分割生成物は観測できないが質量数130程度ではTh+p系と同じ傾向が見られた。このように角度異方性は対称および非対称分割で得られるような2つの質量分割モードの存在で説明できる。
塚田 和明; 篠原 伸夫; 西中 一朗; 市川 進一; 永目 諭一郎; 末木 啓介*; 小林 貴之*; 中原 弘道*; 谷川 勝至*; 大槻 勤*
Radiochimica Acta, 76(4), p.173 - 180, 1997/00
ThおよびPuの陽子誘起核分裂によって生成する希土類元素領域の励起関数と質量分布を入射エネルギー9~16MeVの範囲で測定した。対象とした領域は主に核分裂の際の分裂比が1:2程度までで半減期10分以上の核種であり、全核分裂片から自動制御されたイオン交換分離装置で迅速に分離し定量にした。Puの実験系では測定できたどの質量領域においても同様な励起関数が得られたが、Thの実験系においては典型的な非対称質量分割で生成する領域(質量数140程度)と高い非対称質量分割で生成する領域(質量数150以上)で異なる傾向を持つ励起関数が得られた。Thの実験系におけるこの高い非対称性をもった領域は、中性子数50の閉殻が関与すると考えられる軽い分裂片の対になる領域であり、この励起関数にこのような閉殻の影響が反映されたと考えられる。
永目 諭一郎; 西中 一朗; 塚田 和明; 大浦 泰嗣*; 市川 進一; 池添 博; Y.L.Zhao*; 末木 啓介*; 中原 弘道*; 谷川 勝至*; et al.
Physics Letters B, 387, p.26 - 30, 1996/00
被引用回数:44 パーセンタイル:87.54(Astronomy & Astrophysics)Thの陽子誘起核分裂において、二つの独立した変形径路(二重モード核分裂)の存在を初めて直接的に実験で検証した。すなわち、低い核分裂障壁を通る変形過程では核分裂片の殻構造によって安定化の影響を受けあまり変形しないで分裂するが、高い核分裂障壁を通る変形過程では、大きく変形してから分裂する。そして前者の過程では非対称な質量分割を引き起こし、後者では対称質量分割が優勢になることを明らかにした。